11年目

気がついたら、異国に来て11年が経っていました。
もうそんなになるのかぁ。

子どもの頃から、なぜか、外国に住むことになるだろうと思っていました。
それが短期なのか永住になるのかまではわかりませんでしたが。
だから、中学校に上がるのを待たずに、英語独学で勉強したり、ラジオ英会話を複数聞いたり、「今のうちから準備しておこう」的思考がありました。
まあ、根が怠け者なので、いい加減な準備でしたけど(笑)。

それにしても不思議ですねえ。
田舎に生まれ育ち、旅行恐怖症の両親に育てられ、海外のものに触れる機会なんて全くなかったのに、海外住むことになる、ということに疑問がありませんでした。

ここに来たばかりの苦労は、あまり思い出せないなあ。
スナップショット的に、思い出すことはあるけれど、
長い時間をかけて心の準備ができていたのと、周りの人に恵まれたおかげもあって、大きな適応障害も起こさず、すんなり適応できた方だと思います。

最初は、訛りが強い英語は聞き取れなかったなー。
人種や出身によって違うし、母国語が英語じゃない人の発音もユニークだし。
いわゆる教材英語しか聞いたことなかった私には、ハードルが高かったです。
レストランで、出てくるものの量の多さにいちいち驚いてたな。
何も美味しく感じられなくて、アジア料理ばっかりたべてたし。
懐かしいな。

何年かごとに日本に帰って友人に会うと、「まなちゃん、変わってなくて安心したわー」って言われます。
異国かぶれしやがって！って言われたら、生き方改めるしないよね(笑)。
「そりゃあそうよ。20代半ばまで、日本に住んで自我を確立させてから出て行ったんだもんー。そんな簡単に変わらないよ。」って思うんですが…。
でもね、日本美しい、きめ細かい心遣いとか、できないかも。
がんばっても、なにか抜けてる部分があるような気がします。
ああいうのって、もともとの器量も大きいと思うけど、もみにもまれながら、練習していく過程も大切だと思うから。

たまに気遣いたっぷりの対応に触れて感動する一方、「日本に帰れない…。」と思うこともあります。

結婚もしたし、子どももできたし、なにか大きなことが起きない限りは、異国で永住することになりそうです。
ちょっと、せつないけどね。
でも自分の選択だから。文句はいえないけどね。