以前、この国に長期にいるために必要なビザの、いわば「保証人」みたいなものになってください、と会社にお願いする予定だと書きました。

部長が、えらい真剣に取り扱ってくれて、部長自ら社長に直訴予定…とは聞いていたものの、一向に後日談を聞かないのでちょっと不安になっていたのです。
課長が何度も「部長に聞いてみるから!」と言ってくれていたのですが、音沙汰なく…。
みんな忙しいしな…と、うじうじモード。

…だったのですが!
昨日、急に課長から「部長補佐&部長がビザについてききたいことがあるんだって。4人で集まりましょう。明日。」といわれて、びびりました。
でも、予想通り(?)、会社が保証人になってもいいという承諾がでました、という報告&今後の書類提出予定についての作戦会議でした。

部長のお言葉は以下の通り。
「まなには、何としてでもこの会社に残ってもらいたいと思っています。あなたの今までの仕事ぶりは非常に素晴らしい。ビザがとれるまでの数年間、ここに残ってくれるといってくれるなんて、願ってもないことです。あなたが残れるためなら、私たち、何でもするつもりです。私のほうから、社長に直談判して強く推しておきました。社長の了承もいただいています。
そして、費用についてですが、あなたは75%以上の費用負担をしますと申し出てくれました。でも会社に半分負担してもらうようお願いしておきましたから。」

そこまでいって、部長、たしなめるように、ちょっといたずらっぽく笑って私を見て、こう続けられました。

「この会社は社員を正当に扱う会社です。まなが費用を出すといってるんだから、とつけこむ会社ではありません。そして、あなたもそういう扱いに甘んじる人ではないはずです。これはそうであってほしいという私の願いでもあります。」

部長は、こう諭したかったのかな、と思っています。
「自分を安売りしすぎです。私たちはあなたの価値が分かっているし、そのことを信用しなさい。仮に不当に扱われたとしても、それを当然のことだと甘受しないように。」

ありがたいですね。

いやあ。でも。
嬉しい会議のはずなのに、すごくいたたまれなくて。
部長、部長補佐、課長が全員よってたかって私をほめたたえてくれるんですもの。
照れる、とかいうレベルではなく、もう、本気で嫌でした←非常に強い表現。
この強烈な居心地の悪さは、やっぱり、自分の中で仕事に対する自尊心が持ててない証拠なんだろうなぁ。

帰り、ぼんやり、そうか、この国に長く住む手続きが、ついに始まってしまったのだな、と思っていたら、妙な「喪失感」を覚えました。
また一歩、母国から遠ざかってしまった…という喪失感です。
ふむ、永住権を得た人や、養子縁組を完了した人が、喜びの中で喪失感を感じるというけれど、こういう気持なのかな。
自分のルーツを、手放すことになりますから。

ま、私はまだ始まってもない手続きのことなので、その喪失感は強烈でもなんでもなくて、「うっすら」レベルの気持ちだけれど。

心の機微に不思議さを感じたのでした。
人の心は複雑よのう。
単純に喜べたら、簡単なのにな。

コメント

iu
iu
2008年3月7日19:12

わ〜良かったですね!
上手くいくとわかっていても,ちゃんと結論が出ないと,
不安ですものね。周りの方の対応も素敵です。

そして,手放しで褒められる居心地の悪さにも共感(笑)
自分の仕事に対する自負があっても,自分の評価と周りの評価が著しく乖離していると,そのバランスの悪さに本当に落ち着きませんよね(^-^;)

でも,これで晴れて(?)完璧な正社員さんですね。
がんばってください〜。

まな
まな
2008年3月8日17:34

>iuさん

ありがとうございます!
そうですね、バランスが悪いのでほんと落ち着きません。
交渉も、苦手意識が高いので、すごい変なスタートを切ってしまったのですが、向こうの大人対応のおかげで、いいところに落ち着いてよかったです。

iuさん、新生活前で大変そうですけど、お身体ご自愛くださいね!

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