祈り

2006年7月28日 トモダチ
びっくりした。
あまりに普通だったから。

「出よう。」と彼女を外に押し出した。
「くやしい。」と泣きだす彼女。
私も心底悔しくって、涙が出た。
彼女の手を取って、二人で泣きながら街を歩いた。

泣くこと。
彼女の手を取ること。
自分の感情に従うことを、とっても迷った。
間違うことが怖かった。
でも、そうすることを私は選んだ。

どうにかして、あなたは大丈夫だと、伝えたかった。
つないだ手から必死で伝えていた。
周りが見えなかった。
ふたりで振り返らず歩くことが、とても重要だった。

戻って相手を徹底的に傷つけたかった。
あれを激昂というのだろうか。
彼女と手をつないでなかったら、きっと、きびすを返していただろう。

「ここでまなさんとお話したこと、ずっと覚えてるんだろうな。将来思い出して、あんなこともあったねって笑うのかな。」
夜明け前。
たくさんのことをお話してくれた彼女は、ちょっと疲れたような、すっきりしたような顔でそういった。
きれいな人だなと思った。

人は、みんなサバイバーだと思う。
すべてのサバイバーに、等しく安らかな夜が来ますように。

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