母校で就職活動準備。
真夜中まで粘って図書館を出ると、なんと土砂降り(しかもこういう時に限って大切にしているベージュの革鞄)。

ほお〜。そうきますか。

仕方なく、横殴りの雨の中、駐車場まで小走り。
私の車まで後3メートル、というところで
一台の車が私に近寄ってきました。

思わず警戒。

運転席にいる男性が、何か言ってきたのですが、
なにぶん雨が強くて聞き取れません。
「すぐそこに車停めてますから」という私の声も聞こえない様子。

緊張して思わず身構えると、彼は折り畳み傘を差し出すと、
「これジャンプ傘じゃないから手で開けてね!」と叫んで、
さわやかに去っていきました。

唖然。

でも心のどこかで、
簡単に人にあげるくらいだから100均傘かな、なんて考える、
どこまでも心と根性が荒んでいる私。
後で家に帰って傘を見てみると、柄の部分にライト機能がついていて、
100均どころか、高価な傘のようです。

ともかく。
受け取った傘を差して、
車にたどりついて、
ドアを閉めると、
涙が出てきました。


日本から来た小娘の心を絶妙なタイミングで温めたこと。
彼は知らないし、これからも知ることはないでしょう。

自分がちっぽけな人間に感じて惨めになっても、
なんとなく納得してしまうこと。
大好きな友達たちが皆この街を去ってしまって、
文字通り孤独なこと。
人に甘えたい気持ちを、
歯を食いしばりながら押さえつけていること。
気分の浮き沈みも激しくて、
微妙に自暴自棄になっていること。
そんなことも、彼は当然知らないでしょう。

恩師の一人が
"You can get what you give."といっていましたが、
こと、愛情や優しさにおいては逆も真なり、だと思います。
与えられたからこそ、与えられる。
彼の優しさに救われました。
ほんと、ありがたいです。
優しい人間になりたいと思いました。

ありがとう、見知らぬ人。
あなたの幸せをお祈りします。
そしてあなたの優しさに対する感謝は、
他の人に優しくすることで返していくことにします。

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